ホーム > 匠 - 経験に裏打ちされた独創 > Interview 4 幡野力


アンテナを張ってヒントをつかむ。
それが技術者のセンスであり、日常です。
普段、車いすで生活しているドライバーにとって、乗車時の車いすの収納、降車時の車いすのセッティングは厄介な問題だ。その負担を軽減する室内クレーン、アームリフト(車いす収納装置)をはじめ、特別車両装備の開発・製造を専任しているのが幡野だ。
近年の自動車業界の流れとして、ファミリー層をターゲットとしたモデルでは開口部の広いスライドドアタイプが増えている。
「そのため、スライドドア用クレーンに対するニーズが年々、高まっています。ドライバーのライフスタイルの変化、自動車メーカーの新たな提案によって、車のかたちも大きく変わっていくので、運転補助装置業界の技術者としてはアイデアの見せどころですね」
アンテナを張り巡らし、アイデアのヒントをつかみ、ものづくりの引き出しを増やしていく。それは技術者のセンスであり、技術者の日常だと幡野は語る。
幡野がフジオートに入社したのは2001年。それまでは自動車ディーラーの整備スタッフとして、車の整備、修理、改造に取り組んできた。マイナーな車種や希少車種は正規部品の入手が難しく、オリジ
ナルパーツを製作することも珍しくない。幡野のものづくりのプロとしての道は、その頃から始まっていた。
「整備スタッフだったとき、運転補助装置を装着した車の整備を何度か経験しました。そのとき、運転補助装置が持つ装置としての機能と、ドライバーや同乗者に果たす役割の大きさを感じ、自分もこういう装置を造ってみたいと思いました」
折しもフジオートで働く友人から頼まれ、運転補助装置の取り付けを手伝うことになった。そこで目の当たりにしたフジオートの技術力、造り出される装置の数々が、技術者・幡野の目指す道を照らし出したのだという。
匠の素顔
私は失敗の多い人間ですが、技術者にとって失敗は財産です。
匠の素顔
常に"技術者"であり続けること。それが私のこだわりなんです。
匠の素顔 NEW
僕は自分自身をまだまだ発展途上の技術者だと思っています。